「即位の礼」の中心儀式「即位礼正殿の儀」が22日、皇居・宮殿で執り行われ、皇室と縁の深い栃木県内では祝意を示す催しが行われた。史跡足利学校(足利市昌平町)では、高校時代の天皇陛下が訪問された際の貴重な写真を公開、那須御用邸のある那須町では記念式典があった。
足利学校では、陛下が古刹(こさつ)、鑁阿寺(ばんなじ)などを訪問された際の貴重な写真2枚の特別展示が同日、始まった。陛下は学習院高等科在学中の昭和50年6月9日、地理研究会の一員としてご学友20数人とともに、鑁阿寺、足利学校を見学された。当時の同市の「広報あしかがみ」によると、同日午後3時半過ぎ、群馬県からバスでお着きになったという。
同寺では山越忍済(にんさい)住職=当時=の案内で、境内にある国宝の本堂、一切経堂、鐘楼などの建造物を見学、隣接する足利学校にも立ち寄られた。午後5時前には東武伊勢崎線の急行電車で帰られたという。
写真は同市が撮影。陛下は白の半袖シャツ姿で、1枚には同寺で山越住職から説明を受ける姿、もう1枚は同寺の見学を終え、足利学校に向け大門通を散策される様子が写っている。
足利学校内庫裏(くり)展示室では写真2枚、ご来訪を伝える「広報あしかがみ」などを展示。30日までで、初日の22日は無料公開となった。福島市から訪れた会社員の森谷文孝さん(51)と妻の瑞穂さん(47)は「天皇陛下のお若い姿を見ることができた。災害などでご心労もあると思うが、元気で長く在位されてほしい」と話していた。
那須町寺子の町文化センターで開かれた記念式典には約500人が出席。平山幸宏町長が「那須で過ごされる天皇ご一家のお姿は町民に深い感銘を与えている。両陛下のご健勝を願い重ねて皇室のいやさかをお祈りしたい」と式辞を述べた。
式典では同町で過ごされる天皇ご一家の様子などをまとめた映像が上映されたほか、町内の音楽ホール「弦楽亭」の室内オーケストラによる記念コンサートも行われた。
会場には記帳所が設置され、夫婦で訪れた男性(76)は「国民の一人としてお祝いしたいと思い記帳した。令和の時代も平和で良い日本になることを願っている」と話した。記帳簿は後日、宮内庁に届けられる予定という。
また、福田富一知事は、「栃木県に親しんでくださる両陛下を県民は深く敬愛しており、ご即位をこぞってお祝いしているところです。大嘗祭(だいじょうさい)に本県から新穀を納めることができましたことは、県民にとって大変光栄なことであります。今後とも本県にご来県いただけることをお待ち申し上げます」とするコメントを発表した。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース